化粧品の広告でビフォーアフターの写真は載せられないの?

こんにちは、薬剤師ライターの藤原です。
ビフォーアフター表現ってご存じでしょうか。

化粧品の広告において、ビフォーアフターの写真やイラストの使用は、効果を保障する表現にあたるとして以前は禁止されていました。最終的には、2枚の画像が並んで掲載されているだけで、「before」「after」という表記が無くとも「ビフォーアフターを連想させる」として厳しく取り締まられた時代もあったようです。
そのため、今でも「化粧品の広告には、使用前後の写真を載せてはいけない」と誤った認識を持たれている方もいます。

実は、2017年9月に医薬品等適正広告基準が改定され、“ビフォーアフター表現”も一定の範囲内で認められるようになりました。そこでこの記事では、2023年5月時点での、化粧品広告におけるビフォーアフター表現のルールおよび注意点についてお伝えします。

目次

ビフォーアフター表現と薬機法の関係性

化粧品の広告については、効果効能を誇大広告してはならないことが、以下のように薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)で明確に定められています。

第十章 医薬品等の広告 (誇大広告等)第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」

しかし、誇大広告がどの程度から該当するのかについては薬機法を見る限りでは判断ができません。そのため、薬機法の内容をもとに制定されたのが「医薬品等適正広告基準」です。 この広告基準の対象範囲は、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品になります。

医薬品等適正広告基準で定められたビフォーアフター表現のルール

医薬品等適正広告基準では、ビフォーアフター表現について以下のように示しています。

(4)図面、写真等について
使用前、後に関わらず図面、写真等による表現については、承認等外の効能効果等を想起させるもの、効果発現までの時間及び効果持続時間の保証となるもの又は安全性の保証表現となるものは認められない。

医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について

つまり…

承認されていない効果を連想させるもの
効果発現の時間効果持続時間を保証するもの
・臨床データや実験例ような安全性の保証となり得るもの

は認められません。これらに該当するような表現を避けて、かつ使用前後を同一条件で撮影したもの(作為的に操作していないもの)であれば、使用前後の写真も使用することは可能です。

また、翌年2018年には、厚生労働省医薬・生活衛生局 監視指導・麻薬対策課から、医薬品等広告に係る適正な監視指導について(Q&A)の通達がありました。表現が認められる具体的な例としては以下のようなものが提示されています。

・汚れた肌(使用前)と洗浄後の肌(使用後)の状態や比較
→例)洗浄料
・乾燥した肌の角質層(使用前)と保湿された肌の角質層(使用後)の状態や比較
→例)化粧水・クリーム
・フケがある頭皮(使用前)とシャンプーして清浄な頭皮(使用後)の状態や比較
→例)シャンプー
・無塗布のワキ(使用前)と腋臭防止剤を使用したワキ(使用後)の状態や比較
→例)制汗が承認効能である腋臭防止剤
・メイクアップやカラーリングによる着色・染毛効果を示す表現
→例)メーキャップ化粧品・ヘアカラー用品

一方で、以下のような表現は認められていないため注意しましょう。

・「乾燥による小ジワを目立たなくする」効能を表現する場合。
・「メラニンの生成を抑え、シミ、ソバカスを防ぐ」や「ひび・あかぎれを防ぐ」等の予防効能を表現する場合

その効果が認められた薬用化粧品の場合であっても、「目立たなくする」「防ぐ」との効能効果を使用前・後の写真等で表現することは不可能であると考えられているため、予防効果はビフォーアフター表現ができないというのがポイントです。
また、ビフォーからアフターまでの期間(例えば「1ヶ月後」など)を記載することも、効果が現れる期間を保証することになるため表現できません。

ビフォーアフター表現は一定の範囲で認められている!

ビフォーアフターの写真は、2017年9月に改定された医薬品等適正広告基準でも認められている表現です。ただし、化粧品において認められる効能効果の範囲内であること、効果発現の時間や効果持続時間の保証とならないようにすること、安全性の保証表現は避けること、予防効果には使用しないことという制限があります。

最近でも、化粧品広告のビフォーアフターはしてはいけないと誤解されている方は多いので、正しい理解のもとで効果的な広告を作ることが大切です。

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