医療分野のWEBサイト運営やクリニックの集患において、SEO（検索エンジン最適化）は今や欠かせないものとなっています。しかし、医療分野ならではの制約や注意点が多いため、一般的なSEOとは一部異なるアプローチが必要です。
この記事では、医療機関の集患を成功に導くための効果的なSEO対策と注意点について解説します。
ターゲット読者：WEBサイトを上位表示させて、集患力アップを目指す医療機関
解決できる課題：医療機関が検索順位を上げるポイントと注意点を理解できる
医療機関がSEO対策を行う重要性とメリット
医療機関にとって、SEO（検索エンジン最適化）は集患や認知度の向上に欠かせない要素です。
せっかく素敵なWEBサイトやコラムを作っても、患者さんがサイトを訪れてくれなければ意味がありません。
以下のように、検索結果によってクリック率は大きく変わるため、WEBサイトを上位表示させるためのSEO対策を行うことは非常に重要です。
| 検索順位 | クリック率 |
|---|---|
| 1位 | 28.5% |
| 2位 | 15.7% |
| 3位 | 11.0% |
| 4位 | 8.0% |
| 5位 | 7.2% |
| 6位 | 5.1% |
| 7位 | 4.0% |
| 8位 | 3.2% |
| 9位 | 2.8% |
| 10位 | 2.5% |
また、医療機関がSEO対策を行う具体的なメリットとしては、以下の点があげられます。
広告費をかけずに集患できる
SEO対策のメリットのひとつは、広告費をかけずに検索エンジンでの露出を高めることができる点です。
インターネット広告の一つである検索連動型広告は、一時的な効果が期待できるものの、クリックされるたびに費用が発生します。特に医療機関の場合、競合も多いために広告単価が高くなる傾向にあります。
一方で、SEOは、上位表示されることで自然検索からのアクセスが増えるため、ランニングコストを抑えた長期的な集患ができるようになります。
医療機関の信頼性向上に役立つ
SEO対策のもう一つのメリットとして、患者さんが求めるコンテンツを提供することで、医療機関の信頼性が高まる点があげられます。
例えば、特定の診療科や治療分野に強みがある場合、その専門性をアピールするような医療情報やQ&Aなどのコンテンツを提供することで、患者さんとの信頼関係が築きやすくなります。その結果、新規患者さんの獲得だけでなく、その後の継続的な受診にもつながることが期待できます。
医療機関のSEO対策は難しい？評価されるサイトのポイントとは
医療分野はYMYL領域と呼ばれる、SEO対策では難易度の高い領域の一つです。
YMYLとは、”Your Money or Your Life”を省略した言葉であり、医療や金融などの人々の健康や幸福、経済的安定に直接影響を与える領域を指します。GoogleはYMYLに該当する領域のWEBサイトやコンテンツ評価を慎重に行っており、上位表示させるためには信頼性を示す様々な工夫が必要となります。
ここでは、医療機関のSEO対策で特に大切なポイントを二点お伝えします。
［Point.1］Googleの評価基準であるE-E-A-Tを満たす
EEATとは「Experience（経験）」「Expertise（専門性）」「Authoritativeness（権威性）」「Trust（信頼）」から構成される4つの指標の略語です。EEATの基準を満たすことでGoogleからの評価が高まり、検索順位を上げやすくなります。
医療機関のWEBサイトで行いたい対策としては、以下になります。
医療専門家の監修を掲載
特定の病気や治療法に関する情報は、医療の専門家による監修が必要です。コンテンツ記事の中に監修者のプロフィールを掲載することで、権威性・信頼性を担保することができます。さらに、可能であれば医療の専門家自身が執筆することで、他のWEBサイトには真似できない専門性の高いコンテンツを提供することができます。
エビデンスに基づくコンテンツ作成
コンテンツに記載されている情報の引用元を明確にすることも、信頼性を高めることにつながります。
基本的には、厚生労働省のサイトや公的資料、診療ガイドライン、学術論文などの信頼性の高い参考文献を用いて、コンテンツ作成を行うようにしましょう。
参考文献は各見出しの下やコンテンツの一番下などに記載し、さらにリンクを設置することで、Googleからも信頼性の高い参考文献を引用していることを認識されやすくなります。
提供する情報の網羅性と独自性を担保
コンテンツで提供する情報は、患者さんが解決したい悩みや知りたい情報をきちんと網羅できているかを確認しましょう。
一つのページで書ききれない場合は複数ページ作り、内部リンクで各ページへととばします。このようにすることで情報が整理されて読者により伝わりやすくなるだけでなく、サイト全体の滞在時間が伸びてGoogleの評価を高めることもできます。
また、網羅性と併せて、他のWEBサイトでは書かれていないような独自性の高い情報を発信することも大切です。
例えば、インタビュー形式のコンテンツは独自性を高めやすくなります。そのほか専門家としての知見を活かし、専門分野の最新情報を載せることも、医療機関への信頼性・権威性を高めることにつながります。
［Point.2］医療広告ガイドラインや関連法律を遵守する
医療広告ガイドラインとは、患者さんに客観的かつ正確な情報を提供するために、医療機関の広告に関して厚生労働省が定めた指針のことです。医療広告ガイドラインでは、治療効果や安全性の保証、虚偽・誇大広告などに関する表現を用いることを厳格に禁止しています。
例えば、治療内容や効果に関する「体験談」や、十分な説明なく治療等の前後の写真を掲載することは、患者さんに誤った認識を与える可能性があるため認められていません。
また、「県内有数の治療実績」「最高の医療を提供」など、他の医療機関と比較して優良であるかのような表示の掲載も禁止されているため、注意しましょう。
薬機法や医療法などの関連法律についての知識も習得した上でコンテンツ作成を行うことが大切です。
そのほかに医療機関が行いたいSEO対策
上記に述べたポイント以外でも、一般的なSEO対策で必要な項目を三点お伝えします。
キーワード戦略をたてる
SEOにおけるキーワード選定は、ユーザーのニーズに応えるための重要な戦略の一つです。
医療機関の場合は、一般的な症状や治療法に関するキーワードだけでなく、地域名や診療科などを組み合わせたロングテールキーワードを活用することが効果的です。具体的には、以下のようなキーワードで対策を行いましょう。
地域名＋症状
例えば「京都 ニキビ 圧出」や「大阪 内視鏡検査 胃カメラ」のようなキーワードです。
患者さんが自分の抱えている症状を診察・治療してくれる医療機関を探したいときには、「地域名＋症状」で検索することが多いため、これらのキーワードで上位表示されることで、効果的な集患につながります。
地域名＋診療科目
例えば「京都 左京区 皮膚科」や「大阪 梅田 内科」のようなキーワードです。
患者さんは、自分が何科を受診すべきが分かっている場合には「地域名＋診療科」で探すことが多いため、これらのキーワードで上位表示されることで、「近くで専門の医療機関を受診したい」と考える患者さんのニーズに応えることができます。
MEO対策を行う
MEO（マップエンジン最適化）対策は、Googleマップと呼ばれる地図アプリでの検索結果で、自院を上位に表示させるための施策です。
Googleビジネスプロフィールに、自院の住所や連絡先、診療時間、施設内写真などの情報をなるべく詳細に掲載しましょう。また、患者さんからいただく口コミにコンスタントに返信することも、重要なMEO対策の一つになります。
モバイルフレンドリー対応を行う
現代の日本では多くの患者さんがスマートフォンから検索を行うため、WEBサイトのモバイル対応も重要です。
GoogleはモバイルフレンドリーであることをSEO評価基準にしており、検索順位でも有利に働きます。
例えば、ページのデータ量が多くなり過ぎないように工夫してWEBサイトのページの読み込み速度を速くしたり、一つのホームページでPC・スマホ・タブレットなどの様々な端末に対応できるレスポンシブデザインを採用したりするなどの対策があります。
医療サイトのSEO対策が不安な場合はOfficeファーマヘルスに相談を
SEOは医療機関の集患に効果的な対策の一つです。
ただし、人々の健康に直接関わる医療分野のWEBサイトは、Googleの評価基準が高く、さらに医療広告ガイドラインや関連法律で表現が厳しく規制されています。
そして、これらの基準や規制は年々アップデートされており、医療分野のSEOとマーケティングは今後ますます重要性が増すと考えられます。医療機関のWEBサイトにおいても、より高品質なコンテンツ提供が求められるようになるでしょう。
医療サイトのSEO対策やコンテンツ制作でお悩みの医療機関さまは、Officeファーマヘルスにご相談ください。