この記事シリーズでは、社内業務でChatGPT-4oを活用する方法とその注意点・ポイントについて紹介しています。
今回は、以下の社内業務でお困りの方をターゲットに、課題の解決法をお伝えします。
●想定ターゲット:会社の編集・薬事チェック部署で、Excelで整理された社内ルールをChatGPTに入力し、記事の表記チェックや広告の薬事チェックを行いたい方
●解決したい課題:Excelで整理された社内ルールを効率良く文章化する
ビジネスでChatGPTを使用する際の注意点
まず前提として、ビジネスでChatGPTを活用する際には、セキュリティ対策が非常に重要です。
私たちがChatGPTを使用する際に入力した情報は、ChatGPTの学習や回答精度の向上のために利用されます。
そのため、デフォルト設定のまま利用すると、自分が入力した社内の機密情報や個人情報がChatGPTに学習・記録されてしまい、不特定多数にその情報が流出する危険性があります。
このようなリスクを回避するためには、ChatGPTの「オプトアウト機能」を利用すると良いでしょう。
「オプトアウト機能」とは、以下の設定を行うことでChatGPTに自分が入力した情報を学習させないようにすることができる機能のことです。
オプトアウト機能の設定方法
1.ホーム画面右上のアイコンを押し、設定ボタンをクリックする。
2.データコントロールをクリックする。
3.すべての人のためにモデルを改善するをオフに切り替える。
ChatGPTを活用して社内資料やデータ整理を行う際には、必ずこの設定を行うようにしましょう。
ChatGPTを活用した業務改善~Excelデータを文章化する場合は?~
ここからは、Excelに記載されたデータ(社内ルールなど)を文章化する際の課題や、解決法についてお伝えします。
ExcelデータをChatGPTに読み込ませたときの課題
例えば、社内に以下のようにExcelでこまかく記載されたルールがあるとします。
上記のオプトアウト機能を設定したのちに、プロンプト入力欄からChatGPTにExcelを送付します。
そのあと、以下のようなプロンプトでChatGPTに指示を出しました。
あなたはプロのライターです。Excelに記載した内容を、具体例に沿ってすべて書き起こしてください。
###具体例:”””
【ルール】
①○○のように表現しない
OK例:
・…
・…
NG例:
・…
・…
”””
しかし、ChatGPTが書き起こしてくれたのはExcelの内容全体の6~7割程度であり、確認をすると情報の抜けがあったり、読み取れていない項目があったりしました。プロンプトが悪い可能性ももちろんありますが、Excelの内容を網羅的に認識させるのはまだ難しいのかなという印象でした。
Excelデータを文章化させるための解決法
Excelの内容を直接文章化そてプロンプトにすることは不可能であると考え、2段階の手順で文章化することにしました。
1.Excelのデータ全体をコピーしてwordまたはメモ帳に貼り付ける
上記のExcelのデータをすべてドラッグしてコピーし、wordにペーストすると以下のような状態で出力されます。
▲Excelのデータ1行ごとに記載され、情報がきれいにまとまっておらず散乱している状態です。
このままでは、プロンプトに使える文章とはならないため、次に以下の作業を行いました。
2.出力されたwordの文章を、プロンプトに入れてChatGPTに整理させる
wordに出した内容をすべてコピーし、そのまま以下のプロンプトの下に貼り付けて、ChatGPTに指示を出しました。
あなたはプロの編集者です。以下の内容を、文章はそのままできれいに書き直してください。:
前提ルール OK事例 NG事例
①○○ように表現しない ○・・・・ ×・・・・
○・・・・ ×・・・・
②▼▼のような表現は用いてはならない
○・・・・ ×・・・・
③・・・・
その結果、以下のような整理された状態で、文章化してもらうことに成功しました。▼
ChatGPTを活用し、記事や広告チェックの業務効率化につなげよう
この記事では、Excelデータを文章化したい場合のChatGPT-4oの活用法についてお伝えしました。
会社の編集・薬事チェック部署において、Excelでまとめられた社内ルールをChatGPTに読み込ませて、記事の表記チェックや広告の薬事チェックに活用することができれば、大幅な業務効率化の実現につながります。
その際に、今回紹介した手順とプロンプトがきっと役に立つことでしょう。
この記事を参考に、ChatGPTに指示を出しても思うようにExcelデータを文章化できなかった場合は、wordやメモ帳を用いて2段階に分け、目標とする文章化に近づけることを検討してみてください。